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読書感想文



高2の夏休み。

宿題として読書感想文ならぬ読書メモがありました。

読後の感想を「読書メモ用紙」に4,5行でまとめるというものです。

ただしその用紙には注意書きが書いてありました。




注意

文章の大意や、筆者の構成力の良さを書くのではなく、

自分自身の思ったことを書くこと。




なるほど、これなら読書感想文ほど肩が凝らないだろうと安心しました。

ただし5冊の本を読まなくてはならないので、そちらはたいへんでした。

私は「指輪物語」数巻と「面白い数の話」というややマニアックな本を読み、

以下のような感想文を書きました。

(ちなみに「指輪物語」とは映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作です。当時はものすごくマイナーだった)




指輪物語・旅の仲間・上

ホビットやエルフが主人公という題材が面白いと思った。

主人公のフロドが黒の乗手に追いかけられたシーンは、

読んでいる私のほうもドキドキハラハラだった。

全体として緊張感のあるストーリーだったが、

言葉づかいが古くてやや読みにくかった。




面白い数の話

東京都のリンゴの収穫量が0ではなく1トンというのが面白かった。

また、東京都民のよりも埼玉県民の平均通勤時間が短い事は意外だった。

こうやっていろいろな事を数字で表すのは面白いが、

逆に何でも数字で表せてしまうのがちょっと怖い。



ま、4,5行といったらこんな感じかな。

もともと私は文章書くのが苦手な人間ですからこれくらいでいいでしょう。

・・・と思って提出しました。

ところが数ヵ月後の現文の授業。こんなものとうに忘れた頃に返却されました。

どうでもいいからすぐ捨てようと思ったら、 下の余白に赤ペンでCという文字が。

このCはいかなる意味をもつものであろう?

・・・

・・・

・・・

そうか、評価だ!!

私の感想文が良くなかったから一番悪い評価のCなんだ。

なるほど、これは納得・・・ちょっと待てや、おい。

なんでこれが最低評価のCなんだ?

私は注意書きの通り、思ったことをそのまま書いたのよ。

Cってのはどういう裁量で?

もしかして読書メモは文学的な価値が入ってないとだめなのですか。

それとももっと高尚な感想文を求めているのですか?

そうだったら注意書きにちゃんと書け!!

つうか、こんな4,5行の「メモ」にそれを求めるのはバカの極地じゃないかい?

それとも、まさか、私の思ったことがくだらないと判断してC評価をくださったのですか?

そうだったらこのC評価をつけたやつの家に火をつけてやる

本当にそうだったら私の感情や考え方を否定するってことだぞ。

そんなやつ人間のクズだ。死んでしまえ!!




すいません、言い過ぎました。

ここまで言い過ぎてしまった理由は私は日本の国語教育が嫌いだからです。

一つの文章を読めば、その解釈の仕方は十人十色で然るべきなのに、

特にテストでは画一的に、そして数学的に一つの答えに集約する傾向があるからです。

その「一つの答え」は、筆者の意図とかけ離れている事がけっこう多いです。



「ズームインスーパー」でこんな話題がありました。

大学入試で出た小説文の問題を筆者にやらせたらどうなるか。

筆者は「自分で書いた文章なんだから満点取れる」と豪語していたのですが、

結果何と100点満点中35点。

確実に落第点です。

では一つの問題を例示しましょう。

その小説文は幼い子供と母親が別離する事になる話です。

母親は汽車に乗って子供はプラットホームで見送るという設定です。

その文章の中に、

母親の乗った汽車が走り始めたのを子供が小走りで追った

というシーンがあり、

「小走りで追った」理由を答えなさい

という問題がありました。

模範解答は「感慨深くなってしまったから」とかなんとかじゃないですか?

(まあこれをもっと詳しく、上手に書いたようなものだと思いますが)

ところが筆者の回答は




 思いっきり走ると汽車を追い抜いてしまい、歩くと追いつかないから




いやあ「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだね。 (当然バツ)

まさかこんな簡単な理由だったなんて盲点ですよ。

結局大学側の模範解答は一つの解釈例でしかないのであって、筆者の意図するところとは全然違ったわけです。

同じ文章を読んでも人によって解釈が異なるのは当然で、それが筆者の意見と違う事も必然だと思います。

小説というジャンルはそうあって然るべきなのに、バカな文学者は一つの答えに限定しようとするものだから、

筆者や学生はたまったもんじゃありません。

所詮文章なんて自分が思ったように解釈すればいいんだ。

「絶対の答え」は筆者以外の人間は絶対にわかるはずが無い。

・・・概してこういう考えを持っているやつに限って国語の成績がわるいんだよなあ。




ま、とにかくさ、読書感想文は自分の思ったとおりに書けばいいはず。

なのに学校の先生はその内容で優劣をつけるとは、読書感想文の本来の目的はどこへやら。

「お前の感想文は文章が下手だから評価が低い」

という採点法もあるけど、それは感想への評価じゃなくて文章力の評価でしょ。

しかも読書感想文って「原稿用紙4,5枚」って枚数の限定があるのが嫌でした。

あんまり面白くない作品を「つまらなかったです」で終わらせるわけにはいかないから、

ウソ書いて枚数をかせぐという姑息な手を使いましたね。

他にも修飾語をたくさん羅列したり、ひらがなを多用したり、

行の一番上で改行したりして文字数を稼ぎましたよ。

読書感想文のおかげで文書偽造能力がかなりついたと思います。



国語教育って犯罪者を作るためにあるんか?




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